2015年 06月 04日
一昨年新しく発売された、ピクトリコプロ・ソフトグロスペーパー。 http://www.pictorico.co.jp/system/contents/1490/ 一度使ってみたいなぁ、と思っていたところ・・・。 昨年のフォトニコにて思わずピクトリコ賞の副賞としてこの用紙を頂くことが出来ました。 当時早速プリントをしてみて、こんな記事を書いていたのがそのままになっていたので、いまさらですがアップしてみます^^; この紙の特徴は、 「ベースにはアート紙を採用。アート紙本来のしなやかさを持つワンランク上の微光沢用紙」 「落ち着きのある光沢でしっとりと上品な仕上がり」 とあります。 まずは袋から紙を取り出し、じっくり面質を見てみてみます。 なるほど、通常のRCペーパーとは違い、ぱっと見ではそれほどその特徴が強いわけではないものの、アート紙独特の風合いがあります。 そして、僕の中でこの紙のキーワードとなるのが『しっとりと上品な』というところ。 なんとなく、この紙を印刷した時にどんな絵が出来上がるだろう、というのが頭に浮かんできました。 まずはどの写真を印刷しよう?ということですが、その紙の特性に合いそうなもので、訪れたばかりだった御岳山の写真を選んでみました。 まずプリントをする時に重要なのが、カラーマネージメントシステム。 モニター上で表示された画像をプリンターへ出力する際、使用するプリンターと紙の色の特性や色のクセを考慮して正しくプリントするために、ICCプロファイルというものを使用します。 ※プリント環境については、最後に記載。 作品作りなどする際、ICCプロファイルが無い紙の場合はなるべく自分で作るようにしているのですが、ピクトリコはHP上から各種プリント用紙、プリンター別にICCプロファイルをダウンロードできるようになっているため、非常に重宝しています。 ピクトリコのICCプロファイルのダウンロードページは、こちら。 http://www.pictorico.co.jp/system/contents/1404/ ここからダウンロードしたICCプロファイルを使用してプリントをすれば、ほぼモニターのイメージ通りの写真を印刷する事が出来ます。 ※モニターのキャリブレーション、環境光もきちんと合わせておく必要があります。 ※モニターは、Adobe Lightroomでソフト校正で表示。 プリント時に使用するICCプロファイルとマッチング方法(今回は相対的)をあてて、紙とインクをシュミレートにチェック。 この写真からだけでは、紙の特性が分かりづらいので、こんどは光を当てて紙の面質が分かりやすいように撮ってみました。 一見平滑なプリント面に見えながらも、光をあててあげるとアート紙らしい風合いが見られます。 次に、他の用紙との比較と言う事で、同じピクトリコのホワイトフィルムでプリントしたものを並べてみます。 ホワイトフィルムは、鏡面光沢と呼ばれるような非常に光沢感の強いインクジェット紙です。 いわゆる光沢紙、と呼ばれる紙の中でも光沢感は別格で、非常に透明感ある写真に仕上がります。 写真はあえて光源が写真の中に写りこむように撮ったのですが、見て分かると通りホワイトフィルムは写りこみが強いのも特徴です。 一方ソフトグロスペーパーは、それほど光源の写りこみも気にならず、展示をしてプリントを見せるという場合に非常に見やすいのも特徴です。 ソフトグロスペーパーにプリントした写真を見た印象は、やはり最初に謳っていた通りのしっとりとした風合い。 そして、ホワイトフィルムのプリントと並べてより実感したのですが、プリントに奥行きが出て立体感が感じられるという言う事。 「その場の空気が写る」、という表現をたまに耳にしますが、まさにそんな事を感じる事ができました。 最初の写真は、中性色~寒色系の写真でしたが、今度は暖色系の写真で。 以前、和紙に印刷をしたテストプリントがありましたので、そちらと比べてみたいと思います。 和紙(アワガミファクトリー プレミオ 楮 白)にプリントした写真は、独特の紙の風合いが特徴で、この写真からも表面のテクスチャをなんとなく感じ取れると思います。 それに比べると、ソフトグロスペーパーの面質は滑らかです。 和紙はどうしても通常のインクジェット紙に比べれば、再現可能な色域が狭く、高彩度な色は若干沈む傾向にありますので、繊細な部分の表現はソフトグロスペーパーの方が良いです。 ただ、風合いを楽しむという面で見れば、和紙は独特の表現が出来るので目的に合わせた紙を選んであげるのが良いですね。 さて、インクジェット用紙といっても様々な種類があり、同じ画像でも実際に印刷をしてみると、選んだ用紙によって印象が大きく変わってきます。 自分の作品のイメージをどう仕上げるか、ということに紙選びというのは非常に重要な要素ですので、是非色んな紙を試して見る事をお勧めします。 ちょっと話はそれますが、最後に。 フィルムカメラの頃であればプリントすると言う事が当たり前であったのが、デジタルの時代になった今、撮った写真の内どれだけがプリントされているでしょうか。 もちろん画面上で見て楽しんだり、SNSやWEBの世界でたくさんの人に気軽に見てもらえるのも良いですが、写真は最終的にプリントして見てなんぼの物だと思っています。 インクジェットプリントに限らず、写真のプリントが減っていくと印画紙原紙が作れなくなり、その内世の中から印画紙も、印画紙ベースのインクジェットも消えてしまうかもしれないですよ!? 皆さん、写真はプリントをして残しましょうね~^^ <プリント環境について> モニター : NEC MultiSync LCD2690WUXi キャリブレータ : ColorMunki Photo 環境光 : Zライト Z-208 + 東芝 色評価用蛍光ランプ FL20SN-EDL プリンター : CANON PIXUS PRO-100
by kibunwatabibito
| 2015-06-04 20:55
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