2022年 04月 29日
2001年2月17日(土) Day 8 朝はゆっくり起きようと思っていたのだが、6時半くらいに目が覚める。 外をみると薄明るくなってきており、まだ日は昇ってきていないようだ。 朝は寒いが起きたついでだし早朝のテカポ湖も写真に撮っておこうと思い、着替えて昨日と同じ場所にカメラを持って行ってみる。 今朝はすっきりと晴れ上がっていてとても気持ちがいい。 日が完全に昇るまで1時間程景色を眺めて過ごす。部屋に戻ると朝食をとりにホテルのレストランに行く。 自分の好きなものをとっていくスタイルだが、朝はそんなに食べないし朝食代が13ドルしてちょっともったいなかった。 朝食後荷物をまとめてバイクに積んでいると、このホテルで働いている日本人の女の子が話しかけてきた。 もうこっちに3年近く住んで働いているらしい。 バイクに乗って旅していいね~って言われる。 テカポのすぐ裏手にはアレクサンドリア湖というキレイな湖があるから行ってみたら?と勧められたので、行ってみる事にする。 テカポ湖に向かって左手に未舗装の細い道が伸びており、そこにバイクを乗り入れる。 しばらく走ってアレクサンドリア湖を見渡せるところにくると、小さな湖だがとても美しい。 そこにいる人は家族連れで湖でボートに乗ったりしていて、下界から閉ざされたようなゆっくりとした時間が流れているような感じがしてとても不思議な場所だった。 来た道を少し戻り道を奥に進んでいくと、テカポ湖を反対から見渡せる場所に来た。 やっぱりこういう国道から外れた未舗装の道に入っていくと、今までとはまた違った景色を見ることができて今回の旅がまた少し膨らんだようで嬉しかった。このバイクに感謝である。 長いようであっという間のバイクでの旅も、今日で最後だ。 テカポを惜しみながらクライストチャーチに向けて東へと進む。 行きに通ったこの道は曇っていてあまり景色を楽しむことができず残念だったのだが、今日は天気もよく気持ちよく走ることができる。 途中バイクを止めて写真をとっていると自転車が通りかかる。 挨拶をしてこの自転車も一緒にフレームに入れて写真をとる。 どうやら日本人だなぁ。 オープンテラスのテーブルで食べていると一台バイクが入ってきて自分の隣にバイクを止める。 食べ終わってバイクに戻るとその人なんか見た覚えあるなぁと思ってたんだけど、彼から「ティアナウで会ったよな!」と言われ、ああそうだこの人だと思い出した。 バイクで旅をしていると、よくこういうことがあるものだ。 Ashburtonの町では道端に咲いている赤と白の花を2輪摘んだ。 クライストチャーチに近づくと、NZに到着した初日以来ずっと見ていなかった信号を目にする。 車の数もぐっと増え、あぁ戻ってきたんだなぁと実感する。 中心街に入ると少し迷いもしたが、初日泊まったウィンザーB&Bに今日も泊まろうと思いフロントにシングルの空き部屋はあるかどうか聞いたが、今日は忙しくって部屋はないのよと言われた。 今日クライストチャーチではフラワーフェスティバルが開催されていて、さらに土曜ということもあって一杯のようである。 ほかの所で空きがないか聞いてくれるということで何件か電話してたら、YMCAでシングルが一部屋空いてるということだ。 YMCAは初日泊まろうかどうか悩んでいたところでもあり、とてもきれいそうなところだったと思っていたので、ここでとれて良かった。 お礼を言ってバイクでYMCAについてチェックインする。 朝食は別だが1泊60ドルでバス、トイレ、テレビが付いてて、建物も新しくきれいな部屋でほんとにラッキーだった。どうやらこの部屋がとれたのもぎりぎりだったみたいだ。 大聖堂の中はフラワーフェスティバルの会場にもなっていてたくさんの飾られた花があり、たくさんの人が見ていたがあまり花に興味がないので一通り見回した後、高さ36メートルある大聖堂の展望台に上ってみた。 階段は幅1メートルないくらいの狭い急な石段で、らせん状にぐるぐる回ってひたすら上っていき、頂上の展望台に上がるとクライストチャーチの町並みが見下ろせとても気持ちよかった。 また上ってきた急な階段を降りていき下に着くと、足がプルプルしてすごくしんどい。 部屋ではテレビを見たりしながら旅を振り返ってみたりして、今日で終わってしまったバイクでの旅を惜しみながら眠りへとつく。 2001年2月18日(日) Day 9 いよいよ今日はNZを発たなければならない。 まず荷物をまとめてテントなどのキャンプ道具も全部バッグに収める。 今まではテント類はバイクのパニヤケースに入れておけばよかったから非常に楽だったのだが、全部荷物をしまい終え朝食をとった後バイクを返しに行くことにする。 バイク屋では「何のトラブルもなかったかい?」と聞かれたので「すごく良いバイクだったよ!」と答え、空港に行くまでしばらく時間があったので荷物を預かってもらいお土産を買いに行った。 お昼を軽くマクドナルドで済ませ12時40分にバイク屋に戻ると、お願いしておいたスーパーシャトルがまもなく迎えにきて空港へと向かう。 15時05分発のシンガポール行きの飛行機に乗り込み、愛しいNZともお別れだ。 飛行機の中では唯一日本語吹き替えでやっていた映画の「Meet The Parents」を見たりして時間をつぶし、シンガポール空港に降り立つ。 シンガポール空港ではトランジットホテル内にシャワールームがあったので、シャワーを浴びてすっきりしたあとテレビを見たり空港内のお店を見て回ったりして時間をつぶす。 成田行きの飛行機に乗ると軽い夜食を食べたあとはそのまま眠ってしまう。 2001年2月19日(月) Day 10 早朝6時過ぎに成田空港へと飛行機が到着する。 到着ロビーに出るとJRの切符売り場に下りていき、成田エクスプレスのチケットを買う。 しばらく時間があったのでまた到着ロビーに戻ってベンチに座って休んだあと、成田エクスプレスに乗って東京駅で降りた。 東京は真冬のはずだがそんなに寒さは感じない。重たい荷物を背負って家に着く。 家に着いてからはたまっていたメールをチェックして返事を書き、11時ころNZで撮ってきたフィルムを現像に出しに行く。 全部で200枚くらい撮ってある。 大切な旅の思い出を見返して、ああ帰ってきたんだなぁと実感するのだった。 #
by kibunwatabibito
| 2022-04-29 20:02
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2021年 09月 04日
2001年2月16日(金) Day 7 朝6時30分頃に目が覚めるとなぜかすごく気持ちわるい。 一昨日くらいから喉が痛くなったりして風邪をひいたのかなと思っていたのだが、それがここにきて出てしまったのか・・・。 7時から朝食をお願いするよう昨日ヘーゼルに言ってあったので、とりあえず朝食を食べに部屋から出るが気持ちわるいのはおさまらずあまり食べる事が出来なかった。 9時に予約しておいたジェットボートに出かけなければならないが少し横になって休もうと思い、1時間ほどもう一度寝て起きてみるとだいぶ楽になった。 荷物などを全部まとめてチェックアウトをして、ヘーゼルに帰ってくるまで荷物を預かってもらうよう頼み、待ち合わせ場所のThe Stationに向かった。 - 泊まっていたTurner Lodge - 9時を少しすぎた頃、送迎のバスがやってきてショットオーバー川に向けて出発する。 ジェットボートは運転手含め12人が乗り、そのうち5人が日本人だった。二人連れの女の子は、オーストラリアに留学しててNZに遊びにきてるとの事。 ジェットボートは走り出すと、氷河によって切り開かれた狭い峡谷を両岸ぎりぎりにすごいスピードで走ってみたり、走ってる途中に360度ターンをしてみたりとなかなか面白かった。 自分はジェットコースターのような落下Gが苦手なのだが、それがなければこういうスピードものは純粋に楽しめる事ができる。 ジェットボートを楽しんだ後、Turner Lodgeに戻り、バイクに荷物を積んで今日はまたテカポに行く事にする。 クイーンズタウンの町を抜けてしばらく走るとまた空模様が怪しくなっていき、雨が降るんじゃないかと心配しながら走っていたが、Lake Dunstanを左手に北へ向かっていくとだんだん雲間から空が覗くようになってきた。 Omaramaからプカキに向かって走り出すと、なぜか前方車が3台くらい止まっている。 なんだ?と思いながらスピードを落としながら近づいていくと、羊の群れが道路を横断していて道がふさがっている。反対車線の車なんかは完全に羊に前も後ろも囲まれてしまっている。 少しの間羊の群れが道路を渡り終えるのを待って、走り出し始めて少しすると左手にClay Cliff 12kmという看板を見つけた。 Clay Cliff? 直訳すると土の崖・・・。どんなんだろう?と思い道を左に折れちょっと寄り道していく事にした。 最初は普通の舗装路だったのだが少し行くと未舗装路になっていく。 この旅初めての未舗装路であり、このバイクはオフロードも走れるタイプなのでどんなもんだろうと思って入っていったのだが、やっぱり全然楽だ。 今までのバイクだったら振動もひどく安定もしないのでこういう道は走っていてとても神経を使うし、スピードもほとんど出せないが、このバイクだったら楽に走れることができる。 やっぱりこのバイクを借りておいて良かったと実感するのであった。 未舗装の道をしばらく進むとゲートがあり、その先進んでいくとどうやら駐車スペースがあって着いたようだ。 ちょうど車が一台出ようとしていてゲートを開けていたのだが、自分に入っていけと手招きしてるのでこの先もバイクだったら行けるようなのでそのまま入っていくことにする。 ほんとだったら歩いていく道をバイクで走っていくが、だんだん道も細く荒れているので、いつも乗っているようなオンロードのバイクだったらとても入っていけなかったろう。 行ける所まで行ってバイクを止めると、もう目の前はClay Cliffがそそり立っている。 確かに土っぽい色をした壁がそこかしこにささくれたっている。 歩いて中のほうまで入っていってみたりした。 バイクに戻ると来た道をまた国道へと戻り、プカキ湖で少し休んでからテカポへと向かう。 とりあえずインフォメーションセンターに入ってみると、テカポのアコモデーションがたくさん出てるファイルを見つけた。今まであまりよく見たことはなかったけど、どこの町に行ってもこのインフォメーションセンターに行けばほとんどの情報がそろってしまうので、本当にNZはツーリストにとってとても旅がしやすいいい国だ。 ぺらぺらめくってると湖畔のすぐそばに唯一のホテルが立っており、一番安い部屋で60ドル(当時1NZドル=約53円)からとなっているのでここに行ってみようと思い、ホテルのフロントにシングルで部屋はないかどうか尋ねてみた。 そうだ外国では泊まる前に部屋を見ておくことがよくあるんだよなぁと思うが、別にいいと言って部屋の鍵をもらって案内された場所にバイクに乗って移動する。 ホテルの本館とは別棟になっていて湖のすぐ目の前の部屋だ。 ただ部屋の向きが反対側で部屋から湖は見られないのだが、それで安いんだろう。 部屋はベッドが二つあるツインで、結構広くなかなかよかった。 とりあえず荷物を下ろして風呂にでも入ろうと思ってバスルームに入ると、めずらしくバスタブはあるのだがシャワーがついてない… そういえばフロントでシャワーが使えないとかどうとか言ってたので最初は共用のシャワールームがあるのかと思ってたのだが、部屋にシャワーがないという意味だったのか。 しょうがないのでバスタブにお湯をためて頭をシャンプーで泡立てて洗ったあとは、バスタブに頭を沈めて洗い流すという初めての経験でもあるおかしなことをして風呂から出る。 晩御飯は行きに泊まったときにも食べた、ホテル内にある「湖畔」でサーモン丼とワインを頼む。 ここの店のサーモン丼はとても有名らしくたくさんの日本人がいる。 といってもこのホテル自体が日本人旅行者のパック旅行で使われてるようで、たくさん日本人が泊まっている。 でもサーモン丼は安い上においしい。おいしいものを食べてワインを飲んでいい気分になった後は、部屋に戻ってカメラと日本から持ってきたウイスキーを持って今度は本当の湖畔に行って、岩に腰をおろしながらウイスキーを飲んだり写真を撮ったりして1時間くらい過ごした。 本当はNZでは屋外でお酒を飲むのは法律で禁止されているそうだが、そんなにうるさく言う人もいない。 周りに人もいないし、気持ちよくテカポ湖の美しい景色を楽しみながら夕暮れに染まっていく空を眺めたり写真に収めたりしてすごした。 日もすっかり落ちて暗くなってしまうと時刻はもう22時近い。 部屋に戻ってゆっくりと就寝することにする。 #
by kibunwatabibito
| 2021-09-04 17:49
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2021年 08月 09日
2001年2月15日(木) Day 6 朝目が覚めて外を見てみるがやはり雨模様の天気だ。 いつもなら朝は回りの人が動き出すとすぐに目が覚めるのだが、なぜか今日はまったく気が付かず寝入っていたようで、皆もう起きだして朝食をとっており、自分も寝起きですぐに朝食を食べる事になる。 その後、停泊所目指してゆっくりと船は進み、美しいミルフォードサウンドともこれでお別れである。 ぜひとも晴れている時のミルフォードサウンドも見てみたいものだ。 しかしティアナウについても雨は上がらず、昨日止めておいたユースホステルからバイクに乗り、昼食をとろうとティアナウの町をバイクで走っていると、後ろからバイクが1台走ってくるのがサイドミラーで見える。 バイクを止めると、そのバイクも自分の隣に並んでバイクを止めた。 見ればBMWのバイク、それもクライストチャーチで借りた店のステッカーを貼っており、どうやら同じ所でレンタルしたそれも同じ型のバイクだ。 「どこへ行くの?」 「昼食を食べるところを探してる、一緒にどこか入ろう」 と言われ、最初レストランに入ろうとするがなぜかお昼時だというのに閉まっていて、雨も降っていて探すのも面倒なのですぐ前にあった軽食の店に入ることにした。 お互いヘルメットをとって挨拶をして名前を言われるが、なんて言ってるか聞き取れなかった。 自分も「I’m Toshihiro Hayashi」と言うと「何?」って言われたのでToshiって呼んでくれって言った。 お互いどこから来たとか今日はどうするとか話をするが、あまり言ってる事を聞き取る事が出来ず結構苦心した。 もっと英語を話せたらいいのにと強く思った瞬間でもあった。 彼は気軽に「Hey, Toshi…」って言ってくるから自分も彼の名前覚えとかなきゃと思いもう一度名前書いてくれるよう言ったら、名刺があるからとバイクにとりに行ってくれた。 彼はMatthew T.Rittenhouseと言い(聞き取れないわけだ)アメリカのワシントンD.CのBMWのお店でウェブマスターをしているという事だ。 1時間ほど話した後、彼はミルフォードサウンドに自分はクイーンズタウンへ向かうため店の前で別れる。 バイクに乗る前にお金がトラベラーズチェックしか残っていなかったので、銀行で両替した後アウトドアショップでインナーグローブを買ってバイクに戻り、雨の中また走り出す。 クイーンズタウンへの道のりは昨日よりも雨が強く、止む事もなくずっと降りっぱなしだ。 雨の中ワカティプ湖畔の緩やかな峠道を走るのだが、いつものバイクだと雨の時は非常に滑りやすく気をすごく使いながら走っているのだが、このバイクは雨でもとっても走りやすく快調に道を走る。 快調と言ってもバイクだけの話で、雨を強く受けた身体は冷え切っておりズボンからなぜか浸水してきて股のあたりが濡れてぐっしょりしている。クイーンズタウンに着いても雨は止む気配もなく、おとといキャンプ場で会った二人にはまたたぶん今日戻ってくるって言ったので、キャンプ場に行ってみるがテントは張ってあるが二人とも姿を見ることは出来なかった。 このまま濡れて冷えた体で雨の中テントを張る気力はなかったので、地球の歩き方を見てB&Bを探して電話してみる事にした。クイーンズタウンは思ったよりB&Bが少なくめぼしいところを見つけてかけてみるが、一軒目は今日は休みだと言われた。 2軒目にかけるとシングルは一杯だけど、ダブルなら一部屋あるといわれる。 ダブルでもいいから泊れるかと聞くと110ドルだけどよければどうぞという事で、何とか雨をしのぐことが出来ほっと一息した。 泊ったところはTurner Lodgeというところで、日本語の話せるヘーゼルというおばあさんが1人でやっている宿だった。 荷物を降ろして雨具などを干し、バスルームにはバスタブがあったので久しぶりにお湯を溜めたお風呂に浸かって、ティアナウから雨の中をずっと走ってきた身体をゆっくりとほぐしていく。 お風呂から出ると天気は急に回復してきて空が覗くようになってきので、町をぶらつきにでた。 ここは町の中心街に歩いてすぐなので気軽に歩いて出かけられる。 まず明日ジェットボートに乗るためにThe Stationに行き明日の朝9時からの予約をして、町をぶらぶらした後メキシカン料理の店で夕食をとり、スカイライン・コンプレックスというゴンドラに乗るのに一度宿にカメラをとりに行き展望台に上ってみた。 今回このクイーンズタウンが一番気に入った町の中の1つだ。 しばし山の上から美しい自然に囲まれた町並みを見下ろし、だんだん日が暮れていき町が明かりを灯していくとまた景観が変わっていき美しい夜景を見せてくれる。 こうやって一時間以上ゆっくりとした時間を過ごし、ゴンドラを降りると時間はもう10時近く。 キャンプ場に顔を出していこうかと思ったのだが、会ったらまた長い事話してしまうだろうし何時に宿の鍵を閉めてしまうか聞いてなかったのでそのまま戻ることにする。宿に戻ってからはたまっていた洗濯物を洗濯機に入れて乾燥させるまでの間、さっき買ってきておいた絵葉書を書きながら時間をつぶし、乾燥し終えた頃にはもう眠くなってきてしまったので寝る事にする。 #
by kibunwatabibito
| 2021-08-09 17:17
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2021年 07月 04日
2001年2月14日(水) Day 5 昨日の予報では今日は曇りのち雨だったのだが、朝目が覚めてテントから出てみるとクイーンズタウンの空には少し雲がかかっているものの青空が見える。 今日は、ティアナウを経由してミルフォードサウンドを目指す。 しかし町を発ちワカティプ湖を右手に峠を越えていくと、先の雲行きが怪しい。 できれば着たくはなかった雨具だが、NZに入って初めて着ることになる。 しかし雨足はそれほど強くなる事もなく、ティアナウに着くまで降ったり止んだりの状態が続く。 ティアナウの町に入る手前にガソリンスタンドで給油をしていると、反対方向からモトグッチに乗った髭をはやした恰幅の良い白人が入ってきた。 お互いこの天気をひやかし肩をすくめて見せ、別れ際に彼から「See you later!」と言われ別れた。 その彼と後日本当に会うことになるのだが、この時はこんな一期一会みたいなときでも「See you later」って使うんだなぁって思ってみたりしたのだが。 ティアナウの町ではまずお腹がすいたので、でっかいハンバーガーを2つ食べて腹ごしらえをする。 着いた時には雨はほとんど小降りだったのだが、だんだんと雨が強さを増していきこのままミルフォードサウンドまで天気が回復する事は見込めなかったので、バイクで行くのをあきらめフィヨルドランドトラベルのデスクに行ってティアナウからミルフォードサウンドまでのコーチ(バス)を利用できないかどうか聞いてみることにした。 受付のお姉さんが何本か電話をかけていたのだが、どうやらバスの最後の1席がとれたようで「You are lucky! 」って言われた。 バイクはティアナウに置いて行かなければならないのでどこか良い場所がないか聞いたら、「ユースホステルが近くにあるから置かせてもらったら?」と教えてもらったので、バスの時間まであまりないので急いでユースホステルまで行って宿の人にバイクを一晩置かせてもらえるよう事情を説明して、雨の中歩いて戻った。 バスは本当に最後の1席だった。 しかし急速に天気が回復してきて雨も止んで空が一部見えてきた。 これだったらバスに乗らなくてもバイクで行けばよかったかもしれないなぁ・・・と少し後悔するが、今さら遅いのでおとなしくバスに揺られてミルフォードサウンドを目指す。 それでも英語に耳を慣らそうと思って、わからないけど一生懸命聞きながら移動する。 しばらく続いた平坦な道から山の中へ入っていくと、天気が急変してきた。 霧が出てきたと思ったら急に風が強くなり、雨が降りだす。 道もだんだん険しくなってきて、やっぱりこんな雨の中バイクで来なくて良かったと思いなおす。 霧で前方5メートルがもう見えないのである。それもかなりの急な曲がりくねった道で、こんなところバイクで走らなくてよかった~、とバスをつかまえられたことに今さらながら安堵する。 ホーマートンネルを抜けて少し走ると、ついにミルフォードサウンドの入り口に到着する。 船の停留所から入り江を見てみるが、やはり霧がかかってるような状態で先まで見渡す事が出来ない。 このミルフォードサウンドでは、オーバーナイトクルーズと呼ばれる船に一泊して泊まるツアーを日本から予約をしていた。 今回選んだM.V.Friendship号は、12人乗りの小さい船で船長1人に乗員が1人いた。船に乗り込み船底に降りた所にあるベッドに荷物をおき、すぐに出航する。 雨はほとんど止んでいるが霧がかかっているので、上に雨具を着て船のデッキに出て景色を眺めることにする。 雨が多いため、標高1,000m以上もある海から突き出た山々の岸壁から無数の滝が流れ出ていて、船がその滝のすぐ真下をかすめるように近づいたりして普段ではできない貴重な面白い体験をした。 このときも船のデッキにバランスをとりながら立っていたのだがこれが逆に面白くて、しかし中にいたら船に強くない自分は絶対に酔っていたと思う。 外洋から船は波の立たない静かな入り江に入って停留すると、カヤックをするようだ。 最初はやった事もないのでそんなに簡単にできるものなのかどうかわからず、やっている人のを見ていたのだが、聞いてみるとどうやら簡単にできるみたいなので自分も乗ってみる事にした。 最初乗り込むときさえ気をつければ全然難しくなく、パドルを漕ぐのもすぐに慣れなかなか面白い。 漕いで岸壁に近づいていって緩やかに流れ落ちる滝をすぐ下から見上げてみたり、アザラシが岩の上に何頭か乗っているので近づいて見てみたり、何ともいえない心地よい時間を過ごした。 しばらくすると急に眠くなってきてしまい、ベッドに横になっていたらそのまま寝てしまった。 #
by kibunwatabibito
| 2021-07-04 17:08
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2021年 05月 02日
2001年2月13日(火) Day 4 朝7時ごろ、目が醒めると頭が痛い・・・。 昨日寝る前にも少し痛かったのだが、寝て起きたらさらにひどくなっている。 昨日の晩御飯は、キャンプ場近くの「湖畔」という日本食レストランでサーモン丼を食べたのだが、その時にワインをボトルでもらって(確か10ドルくらいで安かったから)半分くらい飲んだのだが、それがいけなかったのか・・・。 どうしようもないので朝食がわりににテントの中でカロリーメイトとチョコバーを食べ、頭痛薬を飲んでもう一回寝ることに。 1時間ちょっとしてもう一回起きてみたら、だいぶ良くなってきた。 NZのキャンプ場での初めての朝だけど、日本のキャンプ場より朝が皆遅い。 2度寝して起きたこの時間、周りではようやく起きだしてきて朝ご飯を作って食べたりしている。 こんなふうにゆったりとした時間を過ごすのが本当の旅なんだけどな・・・て思うんだけど、気が付けばいつも走りっぱなしの時間に余裕がない旅を今までし続けてるもんだから、その習性が抜けない。 荷物をまとめ、今日の目的地であるクイーンズタウン目指して走り始める。 昨日と同じ道を通ってプカキ湖まで走る。 今日のプカキ湖は風がないせいか湖面がピタッと静まり返っていて、遠くに見えるマウントクックがミルキーブルーの湖面に映っている。 こんな景色、やっぱり日本にはない。 プカキ湖を後にして、昨日立ち寄ったTwizelを後にしてOmaramaという町でガソリンを補給する。 地図を見ると、この町を出て西に折れると80キロほど町が無くなって峠越えになる。 荒涼とした風景の中をしばらく走ると、山の中へと入っていく。 しかしNZの峠は日本の峠のような険しさは無く、確かに山には囲まれているのだがゆったりとした道なりを進むのである。途中、三脚を立てて自分の走っている姿を撮ってみようと思いたちやってみる。 30秒タイマーにセットしてシャッターボタンを押したら、反対車線のちょっと遠目に止めてあるバイクに走っていき、さも普通に走っているように超低速で走る。いつシャッターがおりているのかもわからず、フィルムももったいないので1枚しか撮らなかったのでちゃんと撮れているのか心配だったのだが、日本に帰ってきて写真を現像してみたらちゃんと写っていた! 一台一台がかなり間隔があいていて、通り過ぎる人ごと手を上げて挨拶したりしていたのだが、最後の方の一人が自分のやっている事がおかしかったのか通りすがり、 「Hey guy! What are you doing?」 なんて笑れてしまった。 そんな事もありながら、気持ちのいい峠を越えてTarrasをちょっと過ぎクイーンズタウンとワナカへの分岐点へと着く。 まだ時間も早いので、ワナカに寄り道して行こうと思いルート8Aへ道を折れる。 この分岐点のところで、初めて羊の放牧しているのを間近で見る事が出来た。 それにしても羊は臆病で、バイクを降りてすこし近づいていくと群れをなして逃げていってしまう。 Tシャツ一枚になって、昼食を食べるところを探す。 いろいろふらふらして最初日本語のメニューがあると書いてあったレストランに入るが、今は閉まっていると言われてしまった。 そのあとオープンテラスのピザ屋みたいなところがあったので、そこでピザとポテトと飲み物のセットを頼む。 10ドルくらいだったから一人でも食べきれるだろうと思っていたのだが、まずポテトがドサッと来てこれがまた量が多すぎてポテトだけでも食い切れん。 ピザも日本で頼む丸ごと1枚出てきて、残すのも癪なので何とか全部食べきってやった。 さすがにポテトは残したけど・・・。 それにしても日差しが強い!サングラスなしではとてもいられない。 NZに来てから日本人の女の子をよく見かける。 ここでもおっきな登山用のバックパックを背負って、一人で乗合バスに乗っていく女の子を見つけた。 日本人ていうのは、世界中の観光地どこにいってもいるだろうなぁ。 パックツアーの人もこういうバックパッカーの人も。 さて、一段落ついてバイクに戻り、さぁ出発!と思ったところで、痛恨の立ちごけをしてしまった。 後輪にワイヤーロックをしているのをすっかり忘れていて、狭い駐車スペースを切り返ししているときだった。 ほとんどスピードが出ていなくて前に進まなくてコテッて倒れただけだったので、何もダメージは無かったのが幸いだが、すぐ前がオープンテラスのカフェになっていてたくさんの人がいたので恥ずかしかった。 バイクをさっさと起こすと、ワイヤーをはずして何事もなかったのように軽やかにバイクを駐車場からだし、クイーンズタウンへと向かうのであった。 クイーンズタウンに入ると久しぶりに街に入ったという感じで、車の量がぐっと増える。しかし信号はない・・・。 NZにはランアバウトというものがある。交差点は円状で時計回りに一方通行になっており、進入していく車は右側から来る車を優先して入って行き、出たい方向の道になったら左折して出て行くのだ。 最初慣れない頃はクライストチャーチでちょっと焦ったりもしたが、慣れてくると日本で車も来ないのに信号で待っているのに比べたら断然こっちのほうが合理的だと思うようになってくる。 狭い町なのに結構迷って同じところをいったり来たりしながら、何とかキャンプ場を見つけてテントを張る。 このクイーンズタウンモーターパークはテントを張る場所まで指定されたが、キャンプ場自体はおっきいのだけどテントを張るサイトのスペースが狭い。 歩き方を見ると、T.S.Sアーンスロー号が18:00に出航するそうだからそれに乗れないかどうか乗船所まで行ってみることにする。 ちょうど着くと船が戻ってきたので、ウォルター・ピークまでの往復1時間半ほど、ワカティプ湖の素晴らしい景色を堪能して戻ってくる。 NZに来て少し困ったのが、コンビニのようなところはあるのだが、お弁当が売ってない。 日本ではあたりまえのように売っているので、自炊なんてほとんどしない自分はこれをご飯にする事も多いのだが、それができない。 朝食も困る。いつもはパンを1つくらい買っていくのだが、NZには袋にパンが1つというのが無い。 売っているのは全部一人ではとても食べきれない量のものばっかり。 しょうがないので、夜ご飯は日本から持ってきたフリーズドライのピラフを食べる事にする。 ここでまた失敗! 水をペットボトルで2本買ってきたつもりだったのだが、フリーズドライをコッヘルに入れて注いだのがなんと炭酸水!! 泣けてしまう・・・。 それでも食べられないものかと一応炊いてみたが、変な味・・・。ぴりぴりする・・・。 ええい!捨ててしまえ!という事で、もう一袋あけて作り直した。 そんなこんなで夕食を済ませ共用のキッチンで洗物してたら、日本人の人から話し掛けられる。 外のテーブルでもう一人日本人の人と話してたのをさっき見かけてたのだが、声をかけられたので一緒にいい?って聞いて輪に入る。 話しかけてきた人は、20代後半くらいの人で自転車で2ヶ月くらい回ってるそうだ。 もう一人は、かれこれ9ヶ月くらい釣りをしながら車で回っているという事。 二人はティアナウのキャンプ場で知りあってその後いっしょに移動したりもしながら、ここでまた一緒になったそうだ。 彼らと遅くまで話した後、自分は明日ミルフォードサウンドへ向かうのでお別れして就寝する事にする。 #
by kibunwatabibito
| 2021-05-02 20:09
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DA★ 16-50mm F2.8(148)
DA★ 50-135mm F2.8(102) DA 55-300mm F4-5.8ED(70) D FA マクロ100mmF2.8(49) Planar T* 1.4/50 ZK(36) 桜(31) 朝焼け(28) 紅葉(24) DA 50-200mmF4-5.6ED(23) 夕焼け(23) 山(22) DA 16-45mmF4ED AL(21) 星(20) 蓮(19) 川(19) 水滴(18) 湖(17) Tramping(16) 海(15) DA 21mmF3.2AL Limited(15) Caplio GX100(13) 夜景(12) SIGMA 10-20mm F4-5.6 EX DC(10) 野生動物(8) 滝(7) SIGMA 50mm MACRO 1:2.8EX(7) 氷河(6) 雲海(5) シーカヤック(4) ReDynamix HDR(4) フォロー中のブログ
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