2011年 06月 25日

宮城県亘理町 災害ボランティア・・・(2)

6月18日(土)
朝は5時に目を覚ます。
昨日に引き続き空には雲がかかっており、まだ時間もたっぷりあるのでテントの中で本を読みながら過ごす。

7時頃コーヒーを入れて昨日スーパーで買ってきたパンを朝食に食べる。
買う時は少し量が多いかなと思ったが、体を動かす事を考え途中で燃料切れにならないように朝からたくさん腹に詰めておく。

朝は8時頃から受付を開始するとの事だったので少し早めに出て、途中コンビニで昼食を買って8時前にはVCに到着する。

今日は土曜日という事もあって人も多い。
2日目以降は名前だけ紙に書いて受付を済ませ、8時半頃から行われるマッチングまで椅子に座って待つ事に。

8時半になる頃には、VCの中は人で一杯になるくらいたくさんのボランティアの人が集まっていた。

地元の社会福祉協議会が母体となっているのであろう、進行役の人が挨拶のあと今日のボランティア依頼のあった案件(およそ20件ほどであろうか)を順次紹介していく。

今日は人数も多いためか、基本的に席に座っている前の人の方を優先に挙手制で一つ一つの派遣先へ人数を集めチームを作っていく。

自分は一番最初にあがった案件にとりあえず行こうと、さっそく手を挙げマッチング会場を後にする。



自分が所属するチームが今日向かう場所は昨日からの継続案件。建物内部には入れないお宅で水道使えるがトイレはない。
屋外での作業との事。

通常より少し多め(?)の15人程のチームで、まずは必要な器具類(スコップ、一輪車(ねこ)、のこぎり、鍬、等々)を集めて車に積んでいく。
基本的に車はボランティアの人たちが乗ってきた車に皆が分乗する事になる。
5台のねこはどうしても積みきらなかったので、これだけ別途派遣先まで運んでもらう事にして、4台の車に分乗してVCから海側へ車で15分くらいの吉田という地域へ行く。

常磐自動車道をくぐると目の前のに広がる景色もだいぶ様変わりし、津波の被害の恐ろしさを目の当たりにする。
ただ、このあたりは畑や田んぼの多い地域でもあり、よくテレビなどで見るがれきの山というような状況ではなかったものの、多くの家屋は塀が全て流され家の中は浸水して人が住んでいる気配が無い。

しばらくすると今日作業をする家へ到着し、車から降り作業用の器具等を降ろし今日のざっくりとした作業内容の説明を受ける。

家の周りは元は日本庭園を思わせるような立派な庭があり、横には畑があったそうなのだが、ほとんどが流され庭には松の木が数本残るばかりとなってしまったとの事。
依頼者は高齢のご夫婦で、耳が少し遠いのと方言もあってなかなかどうして欲しいのかとい意思疎通を図るのが昨日から難しかったそうだ。

とりあえず半分くらいにグループを分けて、自分のいるグループは庭から隣の畑へ1mくらいの段差があるのだが、大幅に崩れ落ちて畑へと土が流れでてしまったので、土をシャベルですくってねこ(一輪車)に入れひたすら庭へ戻すという作業をする。

普段使わない筋肉を使うのと中腰の姿勢が多いので、力任せにやると腰を痛めるなと感じたので、姿勢や力の入れ方には注意をしながら作業をする。
学生の時はずっとこんな肉体労働のバイトをしていたので、なんか久しぶりな気分だ。

1時間程作業をした所で休憩。
ここで参加者およびおじいちゃんおばあちゃんと車座になって座り、自己紹介を兼ねて皆で話をする。

今日にわかに出来上がったチームの人たち、遠くは鳥取から、また関西方面で大阪や神戸の人も結構多い。
自分がここまで乗せてもらった同年代の人は東京からで(出身は神戸とのこと)、仕事の休みの週末を利用して金曜日の夜中に出発して日曜日の深夜に帰り着くというパターンで、今回3回目になるとの事だった。

ここまで来るというだけでも大変なことだと思うが、みんな本当に高い意識を持って参加している人が多く頭が下がる思いだ。

リーダーの人からは無理はしないように、飛ばしすぎないようにと。
昨日も若い子がおそらく張りきって頑張っていたのだろう、最初はバリバリ働いていたのに午後になってからは明らかにバテてしまって目が遠くの方を見てへたり込んでいたとの事。

また怪我も非常に多く、昨日ガラスで10数針縫う怪我を負ってしまった人もいるとの事で、まずは自分が怪我をしない事を第一にしましょうと、引続き作業を進めていく。

6~7人でひたすら土をシャベルで掘り、庭にねこで上げてという作業を繰り返し、ようやく目処が立つ。
自分たちの作業の結果が目に見えて出来上がっていくのが分かるので、自己満足だが達成感もある。

庭に数本残った松、津波は背の丈以上の高さで襲ったのであろう、海からここまで様々な物を押し流し松の枝は大量の埃とガラス片等が絡まっている。

このままにしておくと木が呼吸が出来ずに死んでしまうので払っていくのだが、立ち込める埃がものすごい。
防塵マスクに加えゴーグルもして木々に溜まった物を振り落としていく。

時刻は15時過ぎ、ようやく予定をしていた作業も一段落して、朝来た時から比べるとだいぶすっきりしてきたと思う。
これでここの家の作業は終了だ。

この庭の後ろには広大な水田であったであろう景色が広がっている。
そこには津波で流されてきた様々な物が未だ手をつけられず放置され、田んぼにたまる水は薄黒くヘドロのようなものが溜まっている。

休憩時間中、しばらく言葉もなくこの目の前に広がる光景を眺めていた。

ここ一体に広がる広大な田畑は、全て津波の影響で壊滅状態。塩害もあるだろう。
今、目の前の一軒の家の作業を終えそれなりに片付いたという気持ちがある一方、一体復旧にいつまでかかるのだろうかという事が頭から離れない。

- Google mapより転載。上段が被災前の水田の風景。下段が被災後の航空写真。 -
e0110874_1139327.jpg

- 作業をしていた庭から、一輪の花が。 - iPod touchにて撮影。
e0110874_11463497.jpg


作業を終え車でVCへと戻り、使用した器具は高圧洗浄機で泥を落として元の場所に戻す。

帰りは災害派遣従事車両証明書を発行してもらえば高速代が免除となるため、VCにてボランティア活動証明をもらい、近くの亘理町役場へ申請しにいく。

この災害派遣従事車両証明書、ここにボランティアに来ている人達もあまりその存在を知らない人が多く、なんできちんと周知してボランティアへ行く人達が負担少なく、多くの人が気軽に行く事ができるような環境を作らないのだろうかと思ってしまう。

聞くところによれば、免除された通行費はその発行した自治体が負担するわけではないようだ。

高速休日1,000円が現在終了し、高速代の負担が大きいので行きたくても現地に足が向かないという人がいるというのは、なんとももったいない事だと思う。
そういうところを行政がきちんと整備し、復興に向けての道筋を作っていくべきだと思うのだが。

おそらく規制を緩やかにすると不正を働く人が増えるということなのだろうか。
でも優先順位はそんな事ではないと思うのは自分だけだろうか。

亘理町役場では、土日も18時頃までは災害派遣従事車両証明書の発行を問題なくしてもらえる。

本来であれば行き先のVCから要請書を事前にFAXをしてもらい、地元の地方自治体へ依頼すれば行きの分から災害派遣従事車両証明書は発行してもらえるのだが、平日に区役所へ行く時間がないのと、まだ未確認だがこちらの自治体は個人への発行をしてくれないところが多いと聞く。

なにはともあれ、帰りの災害派遣従事車両証明書をいとも簡単に入手し、今日はそのまますぐ裏にある自衛隊風呂でありがたく汗を流す。
e0110874_11535434.jpg



そして、昨日同様またスーパーで夕食を買ってテントへと戻る。

テントの前で晩酌をしていると、昨日も少し話したおじさんが明日帰るとの事で一緒に飲まないか?とお誘いを受ける。

もう一人、ここに長期滞在で1ヶ月ほどいる大阪から来ている自分と同年代の人と3人で、ドアを開け放したワンボックスの中で歓談する。

色んな話をした。

一人気ままに飲むのも良いが、こうやって同じ環境に身を置く同じような価値観を持った人と酒を飲みながら一時を過ごす。

歳はあまり関係ない。

いい時間を過ごした。

夜9時頃にはお開きにして、それぞれ寝床につく。

・・・(3)に続く。
[PR]

by kibunwatabibito | 2011-06-25 11:43 | 日常 | Comments(4)
Commented by らぐじ~ at 2011-06-25 12:06 x
その(1)から興味深く読んでいます。仕事を辞めることになったのを機会に、一度行ってみたいと思っているのですが、もともとアウトドア派ではないので、テントなどのキャンプ用品などは持ち合わせがなく、大阪からの距離もあって、なかなか決意出来ずにいます。
ここに載っていることはとても参考になりますが、ひょっとしたら相談させてもらうかも知れません。
Commented by naoco at 2011-06-25 20:18 x
こんばんは。私は実家が亘理で、本当にありがたい思いで読ませていただきました。

仕事がありなかなか叶いませんでしたが、7月中旬あたりにようやくボランティアに行けそうです。まだまだ津波の爪跡は残っているものの、7月11日頃から災害ボランティアセンター活動は縮小していくようですね。最後のお手伝いになるのかな、などと考えています。(生まれ育ちは隣町の岩沼ですので、8月以降はそちらのお手伝いへ・・・と思っています)

上のコメントのらぐじ~さんも是非亘理へいらしてください。
私もボランティアは初めてですが、わずかながらでも力になりたくて、思い切って行ってみようと思っています。
Commented by kibunwatabibito at 2011-06-25 21:26
らぐじ~ さん
僕がこの記事を書いたのはまさしくらぐじ~さんのように、行きたいと思う気持ちが
ありつつも色んな状況から一歩踏み出せない人のために役に立てばと思い書き始めました。
些細な事でも自分が分かる範囲で教えますので、何かあればメールください!
Commented by kibunwatabibito at 2011-06-25 21:29
naoco さん
ご実家が亘理だったんですね。
ご存知の通り7月末くらいまででボランティアセンターでの現状の活動は終了して
しまうそうですが、実際現地を訪れてみてまだまだ人の手が必要だということを
ひしひしと感じました。
一人でも多くの人がまずは現地に訪れ、自分の目で見て肌で感じて欲しいと思っています。


<< 宮城県亘理町 災害ボランティア...      宮城県亘理町 災害ボランティア... >>