気分は放浪記

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2009年 10月 10日

ユーコン川を下る・・・(11)

この日はカヌーで漕ぎ進む前に簡単なハイキングをしたため、川を下り始めた頃にはすでにお昼を回っていたと思われる。

そこへもってこの日は5日間の川下り中、最長の56kmを漕がなければいけないという一日であったのだ。
といっても個人的には距離のことはほとんど気にしていない。

アルゴンキンでのカヌーでは、湖という静水で漕がなくては進まない、さらにはカヌーや荷物を途中水路が繋がっていない場所では自分たちで担いでポーテージしなければいけないという経験をしているし、バックパックを担いで山の中を歩くときは、自分の足で歩かなければ目的地には着かない。

でもこのユーコン川では、極端な話漕がなくても川が勝手に自分たちを運んでくれるのだ。
9月に入って日が短くなったとはいえ、そこは北の大地21時過ぎまで十分に明るいので時間をそれほど気にする必要も無い。

自然の中でただ一人自分の足と感覚だけで歩く旅もある種の緊張感があって良いのだが、何も考えずただ自然の時の流れに身を任せられる場所であるという事が、このユーコンの魅力の一つでもあるのだろう。

そうは言っても今日は皆良く漕ぎ、日が傾く頃今日の目的地であるBig Salmon Village(ビッグサーモンヴィレッジ)に近づいてきた。
すると、今までずっとどんよりと灰色の世界に覆われていた空が明るくなり始め、太陽が雲間から川の上にいる自分たちを照らし始めた。

PENTAX K-7+DA★ 16-50mm F2.8
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水面は鏡面のように輝き、自分たちが空の上に漂っているかのような錯覚を感じていた。

やがて雲は流れてゆき、柔らかい光を浴びながらも一日の川旅も終わりへと近づいていく。
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DA 55-300mm F4-5.8ED
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Big Salmon Riverが合流する場所にあるBig Salmon Villageは、2日目に泊まったHootalinqua同様、1890年代後半に沸いたゴールドラッシュの際に、交易所として小さな村ができ、その頃の建物が依然として残っている。

カヌーを岸につけ荷物を降ろし運びあげると、そこで出迎えてくれたのは2年前にもいた北極地リスだった。
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愛嬌のある仕草で皆の目を一瞬ひきつけるものの、すぐどこかへ去っていってしまった。
この北極地リスは、冬眠をする際に体温を氷点下まで下げた状態で生き続ける事ができる、珍しい動物。
普通体温が氷点下になってしまえば血液も凍ってしまうのだが、この動物は独自の体内システムで極低体温でも生命を維持する事ができるようだ。

ちなみに熊も冬眠をするというが、彼らは冬眠期間中下げる体温は通常より数℃下げるのみで、30℃台を保っている。
刺激を受ければ起きることもあるので、冬眠というよりは睡眠に近い状態といえるのかも知れない。

荷物を全てあげてテントを立て、時刻はすでに20時を過ぎてきた。
TomoさんRyokoさんが夕食を作ってくれている中、自分たちは椅子に腰掛けお酒を飲みながら過ごす。

DA★ 16-50mm F2.8
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今まではキャンプ地に椅子とテーブルがあったのでそこを利用して食事をしていたのだが、今日はそういったもの何もなかったのでキャンプ用チェアーを出して腰掛ける。

持ってきていた椅子はドリンクホルダーもあり、ゆったりと座れる椅子だったこともあり、正直テーブルで腰掛けて食べるよりも自分はこっちのほうがずっと好きだ。
背もたれによっかかり、ほろ酔い気分でゆっくりと流れていく時間を楽しむ。

日中ずっと雲に覆われていた空も晴れ上がり、やがて星が瞬きだした。
川旅最初の頃は月が出る時間も早く夜空は明るかったのだが、この日はうまい具合に東の空にだけ少し厚い雲がかかり月明かりがほとんど気にならない夜だった。

川の上にいれば空は広いのだが、岸に上がると木々や山々が邪魔して空が見づらくなりがちなのだが、この場所は空が開けて北の空も良く見渡せる。

今夜もオーロラを期待して焚き火にあたりながら時折夜空を見上げて過ごす。
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時折南の空から雲が流れて星を隠してしまうこともあったが、少し待つとまた星々が空を埋め尽くし天の川を見ることもできた。
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オーロラを見るには絶好のロケーションでもあるので、もし出たらどんな構図で撮ろうかなど考えてもいたのだが、らぐじ~さん、かよちゃんと3人で2時近くまで待つものの結局現れじまい。
さすがにもう寝ようかと諦めて寝ることにした。

テントの中で寝息をたてている瞬間、北の夜空では光が舞っていたのだろうかと思いつつ眠りにつく。


・・・(12)へ続く。
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by kibunwatabibito | 2009-10-10 12:42 | ユーコン川 '09 | Comments(0)


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